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新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)

新型コロナウイルスに罹患した人において、少なくとも2か月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかない症状です。通常は発症から3か月経った時点にもみられます。

全身症状 呼吸器症状  精神・神経症状  その他の症状

疲労感・倦怠感
関節痛
筋肉痛
急な発汗


喀痰
息切れ
胸痛
記憶障害
集中力低下(brain fog)
抑うつ・不眠
頭痛
しびれや痛み
嗅覚障害
味覚障害
動悸・立ちくらみ
下痢・腹痛・胸焼け
脱毛・皮疹

倦怠感や頭痛、息切れなどの症状がみられ、症状の”程度”はさまざまで、変動します。持続期間もさまざまですが、適切に対応することで、多くの場合、症状は改善していきます。(日本で2020年1月~2021年2月に入院した患者1,066 例の追跡調査より)

全身症状について

倦怠感

・少し頑張って動くと、疲れ切って動けなくなります。
・倦怠感が強い時期は安静にして、少し改善しても無理をせず少しずつ動くようにします。
・周囲の方々(職場、ご家族)も患者さんに過度のプレッシャーを掛けないようにします。
・「アンケート用紙」と「血液検査」で病状を評価した後に,社会保障活用(傷病手当金、労災保険などの給付)のための診断書を作成します。
・塩化亜鉛溶液を用いた上咽頭擦過療法(EAT)が有効なことがあります。
・血液検査をして、亜鉛、鉄,ビタミンB1,ビタミンB12、甲状腺末、タウリンなどを補充することがあります。
・必要に応じて精神科や心療内科にご紹介いたします。

呼吸器症状について

息切れ・動悸

・寝ているときは平気でも、立ち上がったときや動いたときに動悸や息苦しさを感じます。
・「6 分間歩行試験(運動時の低酸素のチェック)」,「起立試験(低血圧や頻脈のチェック)」、「血液検査」,「胸部CT」、「心電図」,「心エコー図検査」などで,体位性頻脈症候群(POTS),肺炎,心不全,心筋梗塞,心筋炎,肺血栓塞栓症などのチェックをしてから適切な治療を行います。
・体力に応じた「呼吸リハビリテーション」を行うことがあります。(新型コロナウイルス感染症診療の手引き別冊罹患後症状のマネジメント第1.1版,2022より)

精神・神経症状について

物忘れ・考えがまとまらない(ブレインフォグ)

・人の話や、書いてあることが理解できず、理解しようとすると非常に疲れてしまいます。
・普通では間違えないことを失敗したり,物事を覚えられない・思い出せないようになります。
・「認知機能検査」や「頭部MRI」や「脳血流シンチグラフィ」をして,必要に応じてうつ病などにも有効な「反復性経頭蓋磁気刺激rTMS(8の字コイルで前頭葉を刺激)」を実施します。

抑うつ・不眠

・「問診」や「睡眠ポリグラフィー」で診断し,必要に応じて精神科や心療内科に相談します。

痛み

・「血液・脳脊髄液検査」,「MRI」,「神経伝導検査」,「筋電図」などで原因を調べますが,原因が不明な場合は,「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」に準じて,「一般的な鎮痛剤」,「神経痛治療薬」,「抗うつ薬」の処方や,「精神療法」や「リハビリ」を実施します。

その他の症状について

味覚・嗅覚の障害

・鼻づまりや鼻水を伴わず、突然,臭いや味が全くしない・においや味の感覚が弱い、これまでと違うにおいを感じる、急にこげたようなにおいや味がするなどの症状が出現します。
耳鼻科で「鼻内視鏡」や「嗅覚・味覚検査」を行い,「鼻副鼻腔炎・嗅裂炎」があればそのまま耳鼻科で治療を行いますが,「嗅神経性嗅覚障害」の場合は,「嗅覚トレーニング(4つの香料を嗅ぎ分ける)」や「亜鉛,鉄,ビタミンB1,ビタミンB12の投薬」を行います。

脱毛

・発症1~2か月後に訴える方が多く,女性からの訴えが多いとされています。
・「市販の育毛剤」や「円形脱毛症の治療」を行うと,6か月程度で徐々に改善していきます

罹患後対応二次受け医療機関

・当院は神奈川県の「罹患後対応一次受け医療機関」ですが、精密検査や高度医療が必要になった場合には、県内の「罹患後対応二次受け医療機関(聖マリアンナ医科大学など)」や「上咽頭擦過療法EATができる耳鼻咽喉科クリニック(弓削耳鼻咽喉科など)」にご紹介いたします。

コロナ後遺症(患者さん向けパンフレット)

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